BOND&JUSTICE 七ヶ浜復興祭&物産展(開催日:2012年3月10日)

2色のGiG-BANDでスタッフとお客様を仕分け



今回GiG-BANDスタッフがお伺いしたのは、宮城県七ヶ浜町。

仙台から電車とバスを乗り継ぎ、約1時間の小高い丘に上にある「七の市商店街」。七ヶ浜町で被災された生花店、鮮魚店など7軒がプレハブの仮設に集い、2011年12月にオープンしました。そして震災から2年を迎えたこの日、商店街内では全国14カ所の名産物を販売する物産展が開かれました。

20130310 七ヶ浜町復興祭&物産展

全国の名産物が集合!

イベントを主宰したのは、GiG-BANDイベント紹介や訪問取材でもおなじみの「BOND&JUSTICE」さん。福島県南相馬市出身である代表の大土さんを筆頭に、ヒップホップやレゲエのアーティストさんや音楽関係者を中心に組織された団体で、震災直後から被災地へ炊き出しや、全国から集められた物資を届ける復興支援活動を行われています。

20130310 七ヶ浜町復興祭&物産展

北海道の海産物、長野のそば・野沢菜、種子島の安納芋など今回の物産展で販売されたのは、これまでBOND&JUSTICEを通して義捐金などの支援を行ってきた地域の名産物が中心。「この地域の方々が支援してくれているということを、被災者のみなさんに目に見える形でお伝えしたかった」(大土さん)との思いから、この物産展が企画されたそうです。(この日の売り上げは避難している子供たちの支援と、福島の保育園への水の支援として活用される、とのこと)

 

炊き出し3万食を達成!

さらに、BOND&JUSTICEが継続して行っている炊き出しも開催。大土さん自らトラックの上に設置された鉄板で「富士宮やきそば」を調理したり、その他「奄美大島の鶏飯」や「御殿場の金太郎そば」などが振る舞われ、普段なかなか食べることができない各地の味を美味しそうに召し上がっている地元の方々の笑顔が見られました。

この日の炊き出しで通算3万食を達成しましたが、「これはただの通過点」と大土さん。何万食という数字を目標にしてきたわけではなく、2年間で300食、500食……を積み重ね、継続したことが自然と3万食に到達しただけ、との想いが通過点という言葉には込められているようです。

20130310 七ヶ浜町復興祭&物産展

 

ミニライブで涙……

お腹が満たされれば、お次は音楽!!ということで、数組のアーティストによるミニライブが開催されました。歌声に身をゆだねるうち、その場に集まった人々の心に復興に向けての結束力のようなものが生まれ、やはり音楽の力は偉大だ!と実感していた、その瞬間。大土さんの目に涙が……。「俺が死ぬまで、みなさん付き合ってもらっていいですか?」と呼びかけると、仲間から大きな拍手が巻き起こりました。

20130310 七ヶ浜町復興祭&物産展

最後は、BOND&JUSTICEの活動を支援する名古屋のプラスパークさんから、ハイエース(ワゴン車)の贈呈もあり、今後の復興支援に向けて“相棒”を手にした大土さんは、巨大な車のキーを手に満面の笑みを浮かべていました。

20130310 七ヶ浜町復興祭&物産展

「七の市商店街を残したい」

そんな彼らの様子を頼もしそうに見守っていた「ホシ理容室」のご主人であり、七の市商店街の代表を務める星 仁さんにお話をお伺いしました。

星さん:この商店街では、定期的にいろんな団体を呼んでイベントを開催しています。イベントをきっかけに、この商店街のことを知ってもらうことが大事だと思っているんです。震災から2年、やっと仮設住宅から高台に住宅を建設することが決まり、2年後には完成予定ですが、私は“住宅地のなかで、七の市商店街を継続できないものか”と行政にかけあってまして。というのも昔から七ヶ浜には自宅兼個人商店しかなく、商店街というものは震災後にできた、この七の市商店街が初めてなんです。せっかくみんなが一致団結して作ったんですから、今後も商店街を残したいのですが……やはり行政の壁は厚いですね。

20130310 七ヶ浜町復興祭&物産展

 

3年目は“つなぐ”を中心に活動

前日の夜には仙台JUNKBOXで復興祭ライブを開催し、赤色のGiG-BANDをお客様用、青色をアーティスト&スタッフ様用にご利用頂きました。9日から10日にかけて行われた復興祭の準備、後片付けで多忙を極めていた大土さんの貴重なお時間をいただき、お話を伺いました。

GiG-BANDどのような経緯で、今回のイベントを開催することになったのでしょうか?

大土さん:今回、物産展を開催できたのは、七の市商店街のラーメン店『夢麺』ご主人・岩本さんとの縁があってこそ。復興支援を通して出会った岩本さんは50代、僕は30代と世代は違うけど、地元を想う気持ちや復興に尽力したい気持ちは同じ。人と人とは年齢や見た目なんて関係なく、つながることができるんだということを実感した出会いだと思います。

GiG-BAND物産展を振り返っての感想をお願いします。

大土さん:全国から野菜、魚、スイーツなど集めた中で、とくに地元の方に喜ばれたのは、埼玉「VOLENTE048」のチーズケーキや仙台プリンだったんですね。なかなか七ヶ浜では手に入らないものが人気を集めるんだな、という実感から、今後、全国のスイーツを集めた物産展を開催したいと、次のアイディアが浮かびましたね。

GiG-BAND今後のイベントを楽しみにしている住民の方も多いと思います。一方、宮城県で炊き出しをするのは今回が最後ということですが?

大土さん:はい。復興が進むにつれ、被災者のニーズは変わってきて。今、食に関しては、被災者のみなさんが安定して手にすることはできています。ということは当然、支援の形も変わらなければいらない。具体的には、震災直後はまず“食”ということで炊き出しをメインに行い、2年目は被災地の現状を“伝える”活動をしました。そのなかで全国の支援者と出会うことができ、今回の物産展が実現した。そして、これから3年目は“つなぐ”ことに力を注ごうと思ってるんです。

GiG-BAND“つなぐ”とは…、たとえばどんな活動を予定されているのでしょうか?

大土さん:今年1月、埼玉県加須市の双葉町避難所で行った炊き出しは、エネチェン大作戦様に依頼されたもので。支援したいけど、道具もないし、やり方がわからないという方に炊き出しの道具を貸出し、準備から調理まで僕たちがサポートしながら行ったんです。これが被災者と支援者を“つなぐ”ということ。

もうひとつ実践したいのは“避難している子供たちの心のケア”です。今回の物産展でチーズを販売していた「朝霧ハートランド」さんで今年9月、子供たちへの学習支援を行う予定なのですが、親子でろうそく作りを体験してもらい、最低限の明かりで過ごすことを学んでもらう。夜には、そのろうそくを飾ったステージでアコースティックライブをする予定なんですよ。さらに牛の乳搾りからチーズ作りまでを体験してもらって、食べ物は生き物や自然から頂いていることを学んでもらう。そして、みんなでご飯を作って、みんなで食べる大切さを教えたいんです。

GiG-BAND自らの復興支援の経験を活かして他団体様にもスムーズな炊き出しの手順をレクチャーされたり、避難を余儀なくされている子どもたちに生きる喜びを実感してもらうイベントを行ったり、とても素晴らしい活動だと思います!そしてその裏には並々ならぬご苦労があるのでしょう。BOND&JUSTICEの皆さんの今後のご活躍がますます楽しみです!

 

20130310 七ヶ浜町復興祭&物産展

20130310 七ヶ浜町物産展

 

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